2011年12月1日木曜日

ケガは素晴らしいチャンス

どう見ても「練習を休みたくない」と、
表情が訴えている。

彼はオスグッドで、今こそ練習が
思い通りにできていないけれど、

サッカーと陸上を掛け持ちするほど、
スポーツ万能で、運動が好きで、
練習を休むことを極端に恐れている。

オスグッドの症状は、
それほどひどい状態ではない。

屈伸をすると痛むくらい。

だから施術をつづければ早いうちに、
痛みがとれてしまう可能性がある。

実際、初回の施術で痛みが
半分以下になっている。

本人も喜んでいた。

けれども、アスリートなら誰もが
抱える不安だけれども、

「練習を休んだら、周りに
置いていかれてしまうんじゃないか」

「今までの練習が無駄になって
しまうんじゃないか」

という不安が練習を休むことに
ブレーキをかけていた。

中村もその気持ちはよく分かる。

けれども、どうかケガをしている
アスリートには、

ケガをしたときこそ
「劇的にパフォーマンスUPするチャンス」
と思ってほしい。

実際、ケガをしたアスリートは
2通りに別れるように思う。

1つは、ケガから復帰したら、
しばらくして再発してしまうタイプ。

もう1つは、ケガから復帰したら、
以前よりもパフォーマンスが上がって、
活き活きと練習するようになったタイプ。

この両者の違いは、一言で表すと、
「ケガをどう捉えているか?」だ。

前者はケガをしたことを、
「不運」「アクシデント」と捉えている。

だから、早く治して
練習に復帰したくてたまらない。

心の中で「なんで自分だけ、
こんな目に合わないといけないんだ」
と思っている。

そんな子どもの姿を見て、
親御さんも、

「かわいそう」
「早く練習をさせてあげたい」

と思っている。

僕も昔アスリートだったから、
その気持ちはすごく良く分かる。

でも、実はこの捉え方では、
ケガから復帰したあとに、
また同じことを繰り返す可能性がある。

練習をガマンして、ケガから復帰する。

「やった!もうこれからは、
ガマンしなくてもいいぞ」

とても嬉しい瞬間だ。

けれども練習ができていなかったから、
パフォーマンスが落ちている。

「やばいな、早く皆に追いつかないと」

それでガムシャラに練習をする。
人の2倍、3倍練習をする。

、、、それで結局、無理して、
またケガをして、戻ってくる。

多くの場合はこの繰り返しをしてしまう。

ケガが多い選手は間違いなく、
この繰り返しをしている。

もし、この悪循環から抜け出したいなら、
ケガをしたときの捉え方を
変えなければならない。

再発をしないタイプは、
まず治療にのぞむ姿勢が違う。

そもそも、このようなタイプの人は、
すでに散々ケガに悩まされてきた
という人が多い。

だから、早期に治すことを、
いい意味であきらめている。

そして、完治を目指している。

「先生にすべてお任せします。
よろしくお願いします」

とおっしゃる。

僕は考えられるだけのアドバイスをして、
そして、それを文句も言わずに、
すべて実践してくる。

だから治りも早い。

自分が治っていくのが分かるから、
いつも嬉しそうにしている。

「先生、おかげさまで、
どんどん良くなっています。
ありがとうございます」

そして、治ったら、
「次はどんな練習をしたらいいですか?」
と、ここまで聞いてくる。

ケガを再発させてしまうタイプは、
「今までと同じ練習」をしようとする。

でも、ケガを繰り返してきたタイプは、

「今までと同じ練習ではまたケガする。
パフォーマンスも上がらない」
ことを知っている。

だから、僕もケガへの施術と、
セルフケアの方法、練習の方法まで
アドバイスをさせていただく。

そうすると95%以上、
再発を繰り返すことはない。

むしろ、良い練習、良いケア、
良いトレーニングを積むようになり、

復帰後、パフォーマンスが
どんどんUPしていく。

「先生のおかげです」とおっしゃるけれど、

「とんでもない、あなたの努力の結果ですよ。
これからは思いっきり練習をしてください」
と心から応援したくなる。

これは自分の体験談から
言うことだけれど、

「今までの”やり方”が
ダメだったからケガをしてしまった」

まずはそのことに気づけるかどうかが
大きな分かれ目になっている。

”やり方”というのは、
いろいろなやり方なのだけれど、

例えば、練習のやり方、ケアのやり方、
体の動かし方、練習への参加態度、、、etc

どこかに問題があったから、
今ケガをしてしまっている。

だから「早くケガを治して、
練習に復帰したい」というのは、

気持ちは分かるけれど、
実はちょっと危ない考え方。

僕も本当は偉そうなことは言えない。

これは自分が現役のときに、
散々やってきたことだから。

だから大学生のときは、2年間、
練習もできずに棒に振ってしまった。

けれども、このブログの読者さんには、
同じ過ちをしてほしくないので、
厳しい言い方だとしても言います。

ぜひケガに苦しんでいる人には、
こう考えてもらいたい。

ケガをしてしまったのには、
何か理由があるに違いない。

だからこのケガを活かして、
ケガから復帰した時には、
もう絶対に再発させない。

そういう捉え方ができる選手は
ケガから復帰したときに、

周りが見違えるような動きをする。
パフォーマンスが上がる。

そうじゃないとケガをしたことの
意味がないじゃないですか。

僕はケガをしたことは決して、
不幸だなんて思ってもらいたくない。

体は痛みを通じてあなたに、

「練習方法が間違っている」
「ケアが不足している」

とシグナルを送ってくれている。

それをキャッチして、原因を突き止め、
改善した人だけが、本当の意味で
ケガが完治して、

そしてケガが治る以上のプレゼントを
受けとることができる。

ぜひケガをしたことはチャンスだと、
そう思ってほしい。

「そんなこと思えませんよ。

第一、何が原因で、ケガをして
しまったか分からないですし。

どうやったらケガが治るのか、
分からないんですから」

その通り。

だから僕たちのような体のプロがいる。

1人で悩まないで、ぜひ相談してほしい。

中村 宇博


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