2013年4月24日水曜日

病気やケガから学べること

アトピーのブログの方に、
こんなコメントがあったので、
お返事を書きました。

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はじめまして
高校一年の女子です。

私は小さいこらからひどいアトピーでした。
今はかなり回復して傷はあまりありません。

ですが、やはり肌はかさついていて
赤みはあり、傷跡もたくさんあります。

ほんまに辛いです。周りには化粧して、
手足だして可愛くなっていく子がいっぱいいます。

私もみんなみたいにしたいです。
早く治したいです。

このブログを参考に頑張りたいと思います!
長々とすみません。

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よっぴさん

新しく学校生活が始まって、
これから新しい友達も増えていくというときに、
アトピーで、カサつきや傷あとがあるのは気になるよね。

周囲の化粧やオシャレをしている子たちが、
すごくうらやましいと思います。

自分だけなんでこんな想いをしないと、、、
と思うと、本当に辛いよね。

でも、よっぴさんがアトピーを治すのを
あきらめなければ、きっと良くなりますよ。
頑張りましょうね。

そして、こんなことを急に言われても、
すぐには受け入れられないかもしれないけど、
せっかくアトピーなのだから、そこから
色々と学ばせてもらうというのはどうかな。

僕もこれまでの人生の中で
たくさんの女の子に出会ってきたけれど、

その中でも「素敵だな」と思う人たちは、
何かしら苦しい経験をしてきた子たちが
多かったです。

それを乗り越える中で、強くて、
美しい心を養ってきたのだと思います。

確かにアトピーは辛いことだけど、
それはよっぴさんだけが経験できる
「かけがえのないこと」でもあるんだよ。

よっぴさんにも、アトピーを治すだけではなくて、
アトピーからたくさんのことを学んで、
外見だけではなくて、中身も強い女性に
なってもらいたいと思いました。

ちなみに、世の中にはこんな人がいます↓



なぜニックさんは生まれつき、
絶望的に辛い状況だったのに、
こんなにも愛される人になれたのか。

この動画を見ると分かります。

よっぴさんも、アトピーである自分に
引け目を感じないで、どんどん
やりたいことにチャレンジしてください。

高校生活は、
一生で一度の大切な時間だから。

応援しています。お大事に。

中村 宇博

追伸:時間があるときに少しずつ
いただいたメールにも返信していきますが、
今なかなかお返事書けずにいます。


2013年4月12日金曜日

ケガをチャンスに変える心構え


新年度が始まりました。

それにともなって学生さんたちは
大会のシーズンに突入しましたね。

練習が最後の追い込みの時期になり、
毎日ハードな練習をしているかも
しれません。

特に今年3年生になった人は、
最後の試合が迫ってきています。

悔いがないように結果を出したいと
練習に気合が入っているでしょう。

ハードな冬季練習を超えて、
疲労がピークに達している
かもしれませんね。

この時期になると、毎年、
練習で無理をしすぎて、
ケガしてしまった学生さんたちが、
駆け込んできます。

どうかあなたにはそうなる前に、
一度、体を休めてあげてほしいと思います。

体をベストな状態に仕上げるためには、
ハードな練習をこなすのと同時に、
酷使した体を休ませることも
大切ですから。

残念ながら、すでにケガをして、
しまったという人。

このままでは試合に出られなく
なってしまうんじゃないかと、
不安になっているかもしれません。

思いどおりに練習ができずに、
今まで練習してきたことが
無駄になってしまうんじゃないかと
焦っているかもしれません。

「何とか練習を休まないで、
ケガを治すことができないか」

と考えるのは当然でしょう。

けど、同時にそれではなかなか
ケガが治らないことも
分かっているはずです。

焦る気持ちはすごくよく分かります。

なんでこんなタイミングで、
ケガをしてしまったんだと、
自分を責めてしまうかもしれません。

でも、、、

いっそ「今のタイミングで
ケガをしたことは良かったんだ」
と思ってみるのはどうでしょうか?

だって、もし本当に最後の大会の
直前にケガをしてしまっていたら、
出場自体が危ぶまれるけど、

今だったら、まだ大会に間に合う
可能性は十分にあります。

むしろ、この機会に体のケアをして、
体を万全な状態に戻せたら、
最後の大会でいい結果を残すことが
できるかもしれない。

ケガをすると焦ってしまうし、
不安になると思うけど、

今の状態を何とかプラスの結果に、
つなげられるように、
今できることに専念しませんか。

ケガを治すときに一番妨げになるのが、
実は「焦る」気持ちです。

気持ちが焦ると、
神経も筋肉も緊張してしまうから、
ケガが治るのが遅くなります。

毎年この時期にケガをした、
学生さんをみていると、

試合が間近に迫るほど、
ケガが治りづらくなります。

痛みが落ちづらくなります。

どんどん気持ちが焦って、
体の緊張が増していくからです。

そして、面白いことに、
結局ケガが治りきらないまま、
試合に出場して、

それが終わった途端に今まで
全然痛みが軽減しなかったのが、
急に激減してしまいます。

試合前の強い緊張感が
治りを遅くしているんです。

ここで選択肢は2つあります。

1つは痛みを押して練習をする。

でも、これはリスクが大きいです。

もし痛みがどんどんひどくなって、
大事な試合の前に、本当に練習が
できなくなってしまったら、、、

どうしますか?

そのときこそ、
本当に後悔をするかもしれない。

そして、痛みが強い状態で、
試合に臨まないといけないかもしれない。

そんな状態で本当に
ベストなパフォーマンスを
発揮できるのでしょうか。

このような選択をした学生を見るたび、
心が痛み、切ない気持ちになります。

もう1つの選択肢は、

思い切って体を治すことに専念すること。

もし出られなかったら仕方がないと、
どこかであきらめてしまうこと。

「そんなことできるわけ
ないじゃないですか!」

と思うかもしれませんが、

そうやって気持ちが吹っ切れて、
今できること、体を治すことに
専念することができると、

体の緊張感がなくなって、
自然と痛みが楽になって
いくことがあります。

だから、あきらめるというのは、

最後の試合でベストを出すために、
練習ができないことに焦る気持ちを
募らせるのではなくて、

そういう自分の現状を受け入れて、
焦る気持ちを切り替えて、
今できることに専念をして、
ベストを尽くそうということです。

過去、私たちが見てきた患者さんの中には、
そうやって治すことに専念した結果、

復帰後の試合で、
ベストパフォーマンスを発揮できた、
今までで一番良い結果を残せた、
という人たちがいます。

ケガをしてしまったのは仕方がない。

だったら、
それをプラスに変えられるように、
今できることに集中しませんか?


2013年4月9日火曜日

教室はまちがうところだ



この絵本、FMT整体の
待合室に置いてあるんですが、
すごく好きなんです。

患者さんの中には
「自分の孫にプレゼントしたいから」と
絵本の名前をひかえていった人もいるくらい。

子どもさんはもちろん、
大人の方にも読んでみてほしいです。

教室の文字は、
「人生」に置きかえることが
できるんじゃないでしょうか。

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【教室はまちがうところだ】

蒔田 晋治作

教室はまちがうところだ
みんなどしどし手を上げて
まちがった意見を言おうじゃないか
まちがった答えを言おうじゃないか

まちがうことをおそれちゃいけない
まちがったものをわらっちゃいけない
まちがった意見をまちがった答えを
ああじゃあないか こうじゃあないかと
みんなで出しあい言いあうなかで
ほんとのものを見つけていくのだ
そうしてみんなで伸びていくのだ

いつも正しくまちがいのない
答えをしなくちゃならんと思って
そういうとこだと思っているから
まちがうことがこわくてこわくて
手も上げないで小さくなって
黙りこくって時間がすぎる

しかたがないから先生だけが
勝手にしやべって生徒はうわのそら
それじゃあちっとも伸びてはいけない

神様でさえまちがう世の中
ましてこれから人間になろうと
している僕らがまちがったって
なにがおかしい あたりまえじゃないか

うつむきうつむき
そうっと上げた手 はじめて上げた手
先生がさした

どきりと胸が大きく鳴って
どぎっどきっと体が燃えて
立ったとたんに忘れてしまった
なんだかぼそぼそしゃべったけれども
なにを言ったかちんぷんかんぷん
私はことりと座ってしまった

体がすうっと涼しくなって
ああ言やあよかった こう言やあよかった
あとでいいこと浮かんでくるのに

それでいいのだ いくどもいくども
おんなじことをくりかえすうちに
それからだんだんどきりがやんで
言いたいことが言えてくるのだ
はじめからうまいこと言えるはずないんだ
はじめから答えが当たるはずないんだ

なんどもなんども言ってるうちに
まちがううちに
言いたいことの半分くらいは
どうやらこうやら言えてくるのだ
そうしてたまには答えもあたる

まちがいだらけのぼくらの教室
おそれちゃいけない わらっちゃいけない
安心して手をあげろ
安心してまがえや

まちがったって わらったり
ばかにしたり おこったり
そんなものはおりゃあせん

まちがったってだれかがよ
なおしてくれるし教えてくれる
困ったときには先生が
ない知恵しぼって教えるで
そんな教室作ろうやあ

おまえへんだと言われたって
あんたちがうと言われたって
そう思うだからしょうがない

だれかがかりにもわらったら
まちがうことがなぜわるい
まちがってることわかればよ

人が言おうが言うまいが
おらあ自分であらためる
わからなけりゃあそのかわり
だれが言おうとこずこうと
おらあ根性まげねえだ

そんな教室作ろうやあ

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2013年4月7日日曜日

この子全然ダメなんです

FMT整体では学生さんに、自分の口で、
自分の症状の説明をしてもらうようにしている。

中には小学生でも、しっかりと説明ができる子もいるし、
高校生になっても、ご両親に説明してもらうことを
頼りにしている子もいる。

つい最近来ていた女子高生は、恥ずかしがり屋で、
最初は僕と目を合わせてもくれなかった。

問診をしていても、

「いつ痛くなったの?」

「うーん、、、」

「1ヶ月前くらい?」

「、、、はい」

「練習中に痛めたの?」

「、、、はい」

みたいな感じだった。

初めは緊張をしているだけの場合があるけど、
この子はすごくシャイだった。

初回の施術のあとに、

「先生、何とか力になってあげたいんだけど、
○○ちゃんのこと分からないと
何もしてあげられないから色々と教えてね」

なんて言ったら、次回来たときには、
言葉につまりながらも一生懸命に説明をしてくれた。

僕も元々無口で、恥ずかしがり屋な方だったから、
彼女の気持ちが少し分かる。

本人なりに「このままじゃダメだ」「何とかしたい」という
気持ちがどこかでちゃんとあって、機会さえあれば、
やってみれば、意外とできるものだったりする。

「おー、すごいね。前回よりもちゃんと説明ができてるじゃん」

と言ったら、恥ずかしそうに笑った。

おっとりとしているけれど、反応はゆっくりだけれど、
彼女なりにマイペースにがんばっているのが分かる。

回を重ねるごとに、彼女は目をしっかりと合わせて、
自分の口で説明ができるようになった。

質問をすると、ちゃんと返答をしてくれて、
会話も成り立つようになっていた。

笑顔を見せてくれる回数も増えていた。

通院されるようになってからしばらく経ち
「ランニングをすると痛いときがある」というから
「ちょっとそこを走ってみてよ」と言った。

ニコニコと笑顔を浮かべながらも、
少し恥ずかしそうにしていた。

すると、その姿を見て、彼女のお母さんが、

「ほら、早く走りなさい」

とおっしゃった。

パタパタと足音を立てて走る姿は、
ペンギンが走っているみたいで、
お世辞にも運動センスが良いとは言えないけれど、
「悪くないな」と思った。

少し修正されれば、もっと伸びていくだろうと。

ひと通り施術を終えて
「一端これで様子を見てみましょう」
と説明をしたあと

「彼女はなかなか良い物を持っていますよ」と言ったら、

ピンと来ない表情をされて
「いえいえ、この子は全然ダメなんです」とお母さん。

本人も首を横に振って、否定していた。

「いえ、きっと彼女は遠慮さえなくなれば、
能力を発揮すると思いますよ」と言ったけれど、

お母さんは「そんなこと全然ないんですよ。
自分の口でちゃんと説明もできないし」とおっしゃった。

謙遜されているのだけれど、そんな些細な一言が、
彼女のセルフイメージを作っていく。

彼女の頭に「自分はダメなんだ」と頭に刷り込まれる。

この場だけではない。

きっとこれまで何百回と、刷り込まれてきたのだと思う。

僕はお世辞で言ったわけではなくて、
本心からだったのだけれど、
伝わらなかったかもしれない。

帰り際、心なしか彼女の表情が
少し曇っていたように見えたのは、
気のせいだろうか。

彼女と出会って、3ヶ月も経っていないけれど、
施術の回数を重ねるたびに、
どんどん説明が上手になり、
コミュニケーションをとれるようになった。

そんな娘さんの小さいけれど、
確かな変化に気がついて欲しかった。

彼女の持っている可能性を引き出し、
伸ばしていくのは、周りの大人たちの役割だと思う。

施術家の目的は、ただケガを治すことだけではない。

彼女の人生に何か少しでも
良い影響を与えることができたら。

彼女の魅力を少しでも
引き出せることができたら。

そんな施術家になるために、
これからも僕たちは日々精進を重ねていく。