2012年6月14日木曜日

施術家を志したきっかけ


私が施術家を志したキッカケを
お話ししたいと思います。

「そんなの全然興味ないですよ。

もっと健康づくりに役立つ情報を
教えてください」

という方もいると思いますが、

「FMT整体には興味があるけれど、
どんな先生がいるんだろう、、、」

という方もいらっしゃるので、
まぁ聞いてやってください。

つまらなくはないと思いますよ。

私が施術家を志した理由には、

ある"女性"が深く関係しているんです。


、、、ねっ!

ちょっと興味ありません?

私が陸上競技をしていたとき、
ケガを頻繁にするようになったのが、
大学2年生のときでした。

それから実に2年近くシンスプリントや
足底筋膜炎、ねんざ、肉離れなどに
悩まされました。

練習したいのに練習できない

この辛さはスポーツをしている人なら、
きっと分かってくれると思います。

当時、私はリレーメンバーに
選ばれていたので、

「このままではメンバーから
外されるんじゃないか」

と焦っていました。

早く復帰したい気持ちから、
まだ完全に治っていないうちに、
練習をはじめてしまって、

せっかく良くなりかけていたのに、
余計に悪化してしまうことも
しばしばありました。

そして、あとで後悔するという。

ケガをしているときって、
正常な思考ができないんですよね。

よく考えたら分かることなのに、
ダメな方を選んでしまうという。

大学には陸上の練習のために
行っているみたいなものだったので、
練習ができないのはこたえました。

(お父さん、お母さん、
高い学費を払ってくれていたのに、
全然勉強してなくてごめんなさい)

仲間が毎日練習に明け暮れているのを、
横で眺めているだけでした。

本当に辛かったです。

さらに良くなったり、悪化したり
を繰り返しているうちに、

だんだん走るのが怖くなって
しまいました。

足を地面に思いっきり着くことが、
怖くなってしまったんです。

歩くのも、おっくうでした。

精神的にも落ち込んでしまい、
しかも、

心配してくれる友人たちの優しさも、
ゆがんで受け止めてしまって、

「どうせ俺の気持ちなんて
分からないだろう。

いい奴ぶってるんじゃねーよ」

などと思っていました。

またそんな自分が嫌で、
自己嫌悪に陥るという悪循環。

とても面倒くさいヤツでした。

口には出さないものの、
態度からそれが現れるので、
周りから人がどんどん離れていきました。

部活の中で孤立していき、
居場所がなくなりました。

そんな状態を見かねてか、

1年のときの頑張りを
評価してくれた監督が、

「中村、短距離のキャプテンを
やってくれないか」

と言ってくれたのですが、

そのプレッシャーに耐えられず、

「いえ、僕には無理です、、、」

と断ってしまいました。

情けない話です。

練習をろくにできていない私を見て、
後輩からは鼻で笑われました。

皆が自分を影で笑っている、
バカにしているように感じました。

とうとう部活に顔を出すことも
できなくなりました。

何度も「もう部活をやめよう」
と思っていました。

そんな苦しいときを救ってくれたのが、
FMT整体の高瀬元勝先生でした。

そういえば余談ですが、
私が患者だった5年前の当時は、

「福厳寺メディカルトレーニングセンター」

「FMT自然整体院」

という名前だったんですよ。

「FMT」というのは

F:福厳寺
M:メディカル
T:トレーニング

の略なんです。

高瀬先生は私の「体」だけでなく、
「心」も見てくれました。

誰にも理解してもらえない苦しみを、
汲みとってくれて、

「大丈夫、必ず良くなりますよ」

と言ってくれたことが、

当時の私にとって、
どれだけ救いだったでしょうか。

治るという希望が持てた私は、
FMT整体に通ううちに、

痛みが軽減していき、徐々に
練習に復帰できるようになりました。

気持ちもどんどん前向きになりました。

そして、走ることが怖くなって、
部活を辞めようかと、
本気で悩んでいた私が、

また痛みなく走れるようになりました。

本当に嬉しかったんです。

部活に向かう気持ちも、
以前とは全く変わってしまいました。

ケガをするまで、している最中は、

「ちくしょう。
なんで俺はこんなに足が遅いんだ。
もっと早く走れるようになりたい」

「監督や先輩たちに怒られるから、
練習を休めない」

「アイツには絶対負けたくない」

という気持ちで練習をしていました。

このような気持ちも大事だと思います。

でも、走るのが楽しくないというか、
苦しいというか、、、

今思うと、このような気持ちから、
練習をしていたことがケガに
つながったと思うんです。

けれども、ケガが治ってからは、

ただ走れることが嬉しくて、
楽しくて、気持ちがよくて、
走りたいと思えたんです。

そして、痛みなく走れる体に、
五体満足に産んでくれた両親に、

心の底から感謝の気持ちが
わいてきました。

これは陸上だけに限らないと
思うのですが、

同じことをやっていて、
とても楽しそうにやる人と、

面倒くさそうにやる人と、
大きく分けると2パターンに
なると思うんです。

私は圧倒的に後者でした。

けれど、ケガを経験して、
純粋に走るのが楽しいから、
走りたいからという理由で
練習できるようになったんです。

今ではケガを経験して、
本当に良かったと思っています。

こうして精神的な落ち込みから
回復したとき、

あることに気がつきました。

自分のことしか考えられなかったのが、
ふと視野が広がって、周りの人を
見る余裕ができたんです。

すると同じ部活の中に、以前の自分と
全く同じような状況に陥っている
後輩の女の子がいたんです。

つづく、、、

2012年6月8日金曜日

練習を休んだ方がいいですか?


「練習を休んだ方がいいですか?」

初診の患者さんの施術が終わった後に
こう質問をされることが多いです。

「練習をやりながら治しましょう」
とお答えしたら、

患者さんは喜ぶかもしれません。

できるなら練習を休みたくない
という気持ちはよく分かります。

練習を休むことは勇気がいります。

先生や先輩、チームメイトからは、
サボっていると見られてしまう
可能性があります。

本当はそうではないのに。

自分の気持ちを分かって
もらえないのは辛いことです。

今まで練習をしてきたことが、
無駄になってしまうかもしれません。

練習できない間に周りの友達が
どんどん上手くなっていって、
差を付けられ、

レギュラーを奪われてしまう
かもしれません。

皆が練習をしている様子を
ジッと見学しているだけなのは、
とても辛いことです。

ガマンが必要です。

それなら痛みをガマンしながら、
練習をした方がいいんじゃないか
と思うかもしれません。

せっかく練習を休んでケガを治しても、
下手になってしまうんじゃ意味がない
と思うかもしれません。

しかし、そもそも、
「練習を休んだ方がいいですか?」
と質問をしている時点で、

本当はそうした方がいいと
当人も分かっているのだと思います。

私もアスリートだったので、
そのような患者さんの気持ちは、
とてもよく分かります。

本当は練習をやらせてあげたい
という気持ちもあります。

でも、私たちは休みが必要だと
判断した患者さんには、

「練習をやりながら治しましょう」

とは絶対に言いません。

患者さんに好かれたいなら、
そう言えばいいのかもしれません。

でも、そうはしません。

患者さんから嫌われても、
うるさい奴だと思われても、

「練習を休んでください」

と言います。

そうした方が本人のためになると
心の底から信じているから。

その場とても嫌な気持ちになっても、
ガマンを強いることになっても、

そうした方がケガの治りも早いし、
結果的に早く練習に復帰できます。

痛みをガマンしながら練習をする
ことはできるかもしれませんが、

そうだとしても全力で練習をする
ことはできません。

どこかで痛みをかばった動きが
入ってしまったり、

本人もひどくならないようにと、
無意識に手を抜いて練習をするので、
絶対に上手くなれるはずがありません。

ケガが治ったら"思いっきり"
練習ができるようになります。

早くそのような状態に
戻してあげたいのです。

「休むこと」も練習のうちだと
分かってほしいのです。

ですから、私たちは患者さんの
色々な気持ちを分かった上で、

「練習を休んだほうがいいです」

と言います。

お子さんがケガをされている
ご家族の方にもお伝えしたいのですが、

本当にお子さんの将来のために
なると思うことがあるなら、

そのときには本人の感情を
無視することになってしまっても、

言うべきことは、
ちゃんと言ってあげることが、
本当の優しさだと思います。

取り返しのつかないケガをして、
練習を長期に渡って休まないと
いけなくなったときに、

後悔するのは本人なのですから。

中村 宇博