2012年7月19日木曜日

給料なしでも働きたい会社とは?


なぜ給料の安い会社を選ぶのか?

もちろん、ただ給料の安い会社を
選べばいいってもんではありません。

なぜ冒頭からこのような話をしたかと
いうと、前回の記事を見ていない方は、
まずはそちらを見てください。

http://fmtnakamura.blogspot.jp/2012/07/blog-post.html

それで、自らの貯金を切り崩して、
施術に通う大学生のアスリートが
いるのですが、

彼の施術料だけを割引するわけには
いかないので、

彼にはお金には代えられない価値で
返そうと思ってこんな話をしました。

「例えば、同じ仕事の内容で、
同じ休みをもらえる2つの会社があるとするよね。

両方とも同じような知名度で、
同じような売上をあげているとするよ。

他の条件がほとんど変わりなくて、
でも、もし、給料に差があるなら、
絶対に"給料の安い会社"を選んだ方がいいよ」

彼は「えっ?なんでですか?
意味が分からないっす」と、
ポカンとしていました。

これから就職活動が始まる大学3年の彼。

5年前まで大学生だった私も経験から
分かるのですが、最近の大学生の多くは
自分が勤める会社を、

「できるだけ給料が高く、安定していて、
休みが多く、仕事が楽で、定時で帰れて、
人間関係が面倒でないところ」

という基準で選ぶ傾向にあります。

その次くらいにやりがいだとかを
考慮するようです。

公務員が一番人気があるそうです。

そのような安定した人生もいいと思います。

でも、私はあえて彼には逆を提案しました。

きっと彼の周りの人たちの多くが、
安定した生活を送れるように、
アドバイスしていると思うので、

1人くらい全く違ったアドバイスを
してくれる人がいてもいいと
思ったのです。

もし、給料以外が全く同じ条件なら、
給料が安い会社で働いた方がいい理由。

「だって、給料が安い会社には、
それでも働きたいと思う人が
集まっているわけでしょう?

ということは、給料が安くても
働きたいと思わせる魅力が
その会社にあるということだよ。

その会社で給料が高いだけの会社では、
勉強できないことが勉強できると思うよ」

ただお金だけに価値をおくなら、
給料が高い会社を選べばいいです。

皆、給料が高い方の会社に行きたいと
思うでしょう。

でも、そうではなくて、
あえて給料が安い会社に入って、
お金に代えられないことを学ぶ。

そのような選択ができる人が、
本当に会社から必要とされる人に
なれると思います。

例えば、雇う側の立場になって
考えてみれば分かります。

もし、あなたが会社の社長だったら、

「社長、僕はもっと給料が欲しいです。
残業はしたくありません。
もっと休みたいです」

という人は欲しいとは思わないでしょう。

逆に、

「社長、僕は給料はいりません。
休みもいりません。

それよりも、この会社が好きだから
ここで働きたいんです。

誰よりも勉強して、貢献できるように
なりますから、働かせてください」

という人がいたら、社長さんは、
その人を採用しない理由がないです。

ちなみに私の妹の話なのですが、

ぜひ働きたいと思う美容院があって、
中途採用で就職を志願をしました。

けれども、その美容院では
残念ながら中途採用をしておらず、
断られてしまったのです。

落ち込んでいた妹を見て、
私は冗談半分で、

「給料はいらないので働かせてください、
って言ってみたら?」

とアドバイスしたところ、

再度電話をして、本当にそう言って、
過去前例のない中途採用での
就職を実現させました。

言ってみるものですね(笑)

熱意が伝わり、相当やる気のある子だと、
思ってもらえたようです。

ちなみに「お給料はちゃんと
もらってください」と言われて、
いただいているようです。

社長さんから「給料を支払ってあげたい」と、
思ってもらえることが重要だと思います。

妹の例は極端ですが、

お金のために働くのもいいですが、

給料はなくてもいいから働きたい会社で
働くことができたら、嫌々働くわけでは
ないので、毎日が楽しいです。

ちなみに韓国にある居昌(コチャン)高校
では「職業選択の十ヵ条」というものが
あるそうなのですが、

これを見たときにゾクッとしました。

その通りだと思いました。

あなたにも紹介しておきます。

=====

・給料の少ないほうを選べ

・自分が望むところではなく、
自分が必要とされるところを選べ

・すべて条件がそろっているところは避けて、
イチからはじめなければならない荒れ地を選べ

・先を争って人が集まるところには絶対に行くな。
誰も行かないところに行け

・将来性がまったくないと思われるところに行け

・社会的に尊敬が期待できないところに行け

・まんなかではなく、はじに行け

・両親や配偶者、婚約者が命がけで
反対するところならまちがいなし。迷わず行け

・王冠ではなく断頭台が待つところに行け

=====

当然これは若者に対してのメッセージです。

若いうちだけでも、このような生き方が
できると人間の器が広がると思います。

施術とは関係ない話を長くしてきましたが、

実は上記のようなメッセージは、
私がまだFMTの患者だったころ、
院長の高瀬から聞いた話だったのです。

学生だった当時、周りの友人や大人とは
全く違った刺激的なアドバイスを
していただいたことが、

アトピーを完治させることや、

高校教師という安定した未来ではなく、
整体師を目指すことにつながったと
感謝しています。

おかげさまで同年代の友人たちが、
「仕事がつまらない」「仕事をやめたい」
と言っている中、

私は毎日が楽しくて、充実していて、
給料をいただかなくてもこの職場で
働きたいと思うくらいです。

中村 宇博

2012年7月7日土曜日

親には迷惑をかけているから恩返ししたい


「親には迷惑をかけているから、
働くようになったら恩返ししたいです」

大学3年生の患者さんの言葉です。

こんなことを言われたら、
ご両親は涙を流して喜ばれるでしょう。

彼は部活動の練習中に足の裏を痛めてしまって、
3ヶ月近くまともに歩けていない状態でした。
現在は徐々に回復をしていきています。

彼は当初、決して安くはない
当院の施術料(1回5250円)を、
バイトして貯めた貯金を切り崩して、
自腹を切って通っていたのですが、

そのお金も底を尽き、ご両親から援助を
受けるようになったのだそうです。

すでに15回以上通院しているので、
結構な金額になります。

「うちは余裕のある家じゃないから、
正直キツイと思うんです」

自分のせいで両親に負担をかけていることが、
とても気がかりなのだそうです。

子どもはご両親の何気ない「うちはお金がない」
という言葉を聞いていたり、

何となくそんな家庭の状況を感じているものです。

以前、別の患者さんなのですが、

順調に回復をしてきていた学生さんが、
親御さんに「もういいよ(通わなくても)」
と不機嫌そうに言うのです。

「まだ痛みが残っているのにどうして?」

とお母さんが問いただすと、

「だってお金がかかるでしょ?迷惑かけたくないもん」と。

お母さんは「エッ」と驚いた表情をして、
目に涙を浮かべていらっしゃいました。

複雑な想いをされたことと想います。

私は息子さんに、

「君の気持ちはよく分かるよ。
お母さんも、そうやって気遣ってくれるのは
嬉しいと思うよ。

でも、そんな心配はしなくてもいいんだよ。

お母さんはお金のことより、
君が早く元気に部活できるように
なることの方が大事なことなんだから。

それに今は分からないかもしれないけどね。

お母さんも、お父さんも、君にそんな想いをさせて、
いろいろなことをガマンさせてしまっていると思うと、
とても悔しいし、情けない気持ちになるんだよ。

だから、そんなことは言ってはいけないよ。

もし、迷惑かけてしまっていると思うなら、
一刻も早く治る努力をすることだよ。

そして、いつか大人になって働くようになったら、
うんと恩返ししなさい」

と言いました。

結局、彼は、その後、
完全に痛みがとれるまで通いつづけました。

こんな健気な患者さんには、
「もうお金なんていりませんよ!」と
言ってあげたいところですが、

そういうわけにはいかないので、
お金ではない価値で返すようにしています。

冒頭の彼はもうすぐ就職活動を始めるそうなので、
こんな話をしました。

「例えば、同じ仕事の内容で、
同じ休みをもらえる2つの会社があるとするよね。

両方とも同じような知名度で、
同じような売上をあげているとするよ。

他の条件がほとんど変わりなくて、
でも、もし、給料に差があるなら、
絶対に"給料の安い会社"を選んだ方がいいよ」

つづく、、、