2011年12月6日火曜日

腱鞘炎(ドケルバン病)の痛みが半分になった

「先生、正直、全然変化がなくて、
ずっと本当に治るのか心配で、
半信半疑だったんですけど、

昨日急に痛みが半分くらいに
なったんです」

三重県から来院されている
腱鞘炎のOさんは、
漬け物を作る工場で働いていて、

左手で大きなボールを持ちながら、
機械にキャベツを突っ込む作業を
一日中行うそうです。

ボールを支える親指が腱鞘炎になって、
ひどいときには指が曲がらなくなり、
着替えや箸を持つのさえ
困難だったそうです。

また一日中立ちっぱなしなので、
下半身の筋肉がパンパンに張っていて、
全身にかなりの疲労をためていました。

施術をするたびに指の動きが
どんどんと大きくなっていき、

着替えがしやすくなったとか、
箸が持てるようになったとか、

そのような変化はあったものの、
痛みが楽になってはいなかったようです。

ところが通院を始めて2か月が経ち、
これまで全く痛みの変化がなかったのが、
突然、痛みが半分にまで落ちました。

「はじめて"これなら治る"と思えました」

嬉しい限りです。

けれども、これはOさんに限らずですが、
痛みが突然、楽になったというまでは、
確かに変化を感じにくいのですが、

実は体の中では毎回の施術のたびに、
体に変化が起こっていて、その蓄積が、
大きな変化につながったのです。

Oさんなら手指の動かしやすさが、
各段によくなっていました。

しかし、これを痛みの変化を感じないから、
「変わっていない」「良くなっていない」
と思っていると、

施術に通うこと自体に疑いが出てきたり、
途中であきらめてしまうことに、
つながりかねません。

そうすると、本当は良くなる症状が、
本人の「治らない」という勘違いで
治らなくなってしまうのです。

またOさんの場合は、とても気づかいのある
優しい方なので、いつも施術前後には、

「先生、良くなってきています。
ありがとうございます」

と本当はあまり変化を感じられていなくても、
そうおっしゃってくださるのです。

けれども、本心では不安を感じているという。

その気づかいはありがたいことですが、
しかし、それは治療をする上で、
邪魔になるだけです。

施術家は「痛みが変わっていない」
と言われたら、

「アプローチの方法を変えてみよう」
と考えることができます。

ですが、本当は効果が出ていないのに、
「良くなっています」とおっしゃられると、
効果のない方法をずっと続けてしまいます。

それはお互いのためになりません。

「施術」は患者と施術家の
コミュニケーションです。

施術家からの一方通行では、
治る症状も治らなくなってしまいます。

適切な判断ができなくなって
しまうかもしれません。

どうか遠慮なさらずに、

「変化がよく分からない。
良くなっていない気がする。
治るかどうか不安なんです」

とおっしゃってください。

何でも話してくださいね。

中村 宇博


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