2012年1月15日日曜日

右肩を痛めた空手家のNさん

空手をしているNさんは、
ベンチプレス、腕立て伏せなど、
バンバンやって体を鍛えていた。

上半身を大きくして、
パフォーマンスを上げるためだ。

でも、あるときから
肩が痛むようになってきた。

「どうしてだろう」

病院に行くと「原因が分からない」
と言われた。

レントゲンを撮って、
MRIを撮って、CTも撮った。

「ひょっとしたらガンの可能性もある」

と言われて、検査を受けたが
ガンではなかった。

かれこれ2か月近く接骨院に通っているが、
それでも痛みが全然変わらない。

空手の稽古に行っても、突きの練習ができない。

Nさんの奥さんと息子さんは、
FMTに来院されたことがあって、

「FMTに行けばいいのに」

と何度も言われていたそうだ。

でも、男はそう言われると、
気にはなっていてもプライドが邪魔して、
素直にハイとは言えなくなるもの。

なかなか行動を起こそうとしなかった。

ところが同じ空手道場で稽古する仲間が、

「整体に行って娘のひざが良くなった。
たった2回で痛みがなくなった」

と喜んでいるのを聞いて、

「何ていうところに行っているの?」

と聞くと「FMT整体」だと言う。

おどろいて、そんなに良くなるなら、
一度行ってみようということになった。

Nさんは「右肩だけじゃないんです」
と言って、痛みがある箇所を
全部教えてくれた。

稽古中、右人差し指が
相手の肋骨にあたってしまい、
指が伸ばせないくらい痛くなった。

左の肋骨を蹴られてから
痛みがなかなかとれない。

腹筋をしようとすると、
背骨が床に当たって痛い。
周辺を押してみると激痛がする。

と、何十年も空手をつづけてこられる中で、
全身を痛めてきた。

そして、そのたびに完全に治りきらないまま、
稽古を再開してしまうので、どこもかしこも、
痛くなってしまっている。

「じゃあ、今日はまず右肩をみましょう」

と言って、痛みのある動作を確認した。

腕を前方に上げていくと、90度くらいで、
肩と鎖骨のつなぎめの当たりが痛む。

そして、腕を後ろに回そうとすると、
同じように痛む。

いずれにせよ、肩の周りの筋肉が、
相当硬くなっているようで、
動きがぎこちない。

まずは肩の動きを邪魔する筋肉を
ゆるめていった。

施術開始から2分後、

「もう一度、痛みが出る動きを
やってみてください」

「、、、さっきと変わらないです。

、、、ん、でも、、、あれ?、、

さっきと痛みは変わらないんですが、
動かしやすくなっています。

あっ、、、後ろに腕を回したときは、
突っ張ったような痛みがなくなってます」

と不思議そうにしている。

Nさんは空手の稽古、ベンチプレス、
腕立て伏せなどをしてきて、
肩周りの筋肉が発達していた。

いかにも体を鍛えています、
というのが外見から分かる。

しかし、その鍛えて発達した筋肉が
肩の関節の動きを邪魔していて、
痛みにつながっていたのだ。

この原因はレントゲンを撮っても、
CTを撮っても、映るものではないので、
病院の先生も分からない。

眼で見て、体に触れて、動かしてもらえば
分かることなのだが、残念ながら
それをしてくれる先生はいない。

原因がハッキリ分かれば、
痛みが軽減するのも早い。

さらに施術をつづけること5分、

「あっ!さっきよりも楽になっています」

FMTでは痛みを数字で表しますが、

「さっき10だったとしたら
7くらいになってます」

2か月間、接骨院に行っても
治らなかった痛みでも、

正しく原因に働きをかけることができれば、
その場で痛みが軽減する。

今回はここで施術を終了した。

体を鍛えること=パフォーマンスUP

につながるとは必ずしも言えない。

Nさんは腕立て伏せ、ベンチプレスが、
痛みの原因になっていた。

正しい方法でやらないと、腕立て伏せや
ベンチプレスはやればやるほど、
ケガをしやすくなるばかりか、

かえってパフォーマンスを
落とすことにもつながりかねない。

今後、ますます明らかになって
くるはずだが、

腹筋、背筋、腕立て伏せ、筋トレ、
ゴムチューブ・ダンベルなどでリハビリ、
痛みをともなったストレッチ、

これらは体に望ましくないトレーニングであり、
もし、現在行っているとしたら、
練習方法の見直しをオススメする。

中村 宇博

0 件のコメント:

コメントを投稿