2011年11月28日月曜日

引きこもりを完治させる最高の方法

引きこもりを完治させる最高の方法は、
「家に火をつけること」だと、
どこかの学者が言っていました。

引きこもりは、本人もそうですが、
何よりご家族の方が悩まれていると
思います。

かなり過激な例ではありますが、
まさしくその通りだと思います。

また、実際にそうしないにしても、
それくらいの覚悟で挑まないと、
お子さんは変わらないでしょう。

現在、統合失調症の患者さんが
来られています。

22才のOさんは薬を毎日服用しており、
以前には入院歴もあります。

上半身が老人のように丸まっていて、
歩くのも大変そうです。

聞くと退院してから
2年程、家から出ていないそうです。

毎日イスに座りっぱなしで、
8~10時間ほどパソコンの前に座り、
動くときは食事とトイレと寝る時だけ。

しかも、お菓子が大好きで、
スナック菓子やジャンクフードを
バクバク食べてしまう。

なので見た目は体重100キロ近いのでは
と思うほど、肥えていらっしゃいます。

そんな生活を繰り返していたため、
体が固まって、膝や腰を伸ばすことが
できなくなってしまいました。

姿勢をまっすぐにしようとしても、
体が曲がってしまい腰が痛いので、

歩くことも、立つことも困難になって、
ようやくこれではマズイと思って、
FMTに来られたそうです。

OさんにとってFMTに来院するのは、
他の患者さんとは違う勇気が
必要だったと思います。

ご両親と一緒に来られましたが、
2年ぶりに家から出て、
はじめての場所に行く。

同年代の人がいるかもしれない。

自分の姿を見られたくないという
気持ちもある。

そのような迷いや不安を超えて、
来院を決めたことだけでも、
Oさんは変わる素質のある方だと
思いました。

Oさん自身も、

「先生、何とか自分を変えたいんです。
普通に生活ができるようになりたいんです」

と真剣なまなざしで言います。

Oさんはただ両親に連れてこられた
わけではなくて、自分の意思で変わりたい
と思って行動を起こしたのです。

なので、私もできる限りのサポートを
したいと思いました。

何度か施術を続けていくうちに、
まず腰の痛みが軽減してきました。

背が10cmは高くなったというくらい、
上半身がまっすぐ伸びるようになって、
普通にスタスタと歩けるようになりました。

スタッフ同士でも、
「Oさんはどんどん変わってきているね」
と話をしていました。

あるとき、Oさんが施術中に

「どうしても1日パソコンの前に
いることがやめられない」

と悩んでいました。

「それならインターネットの回線を
ストップしてしまったらどうですか?

自分の意志だけでは、
なかなかやめられないですよね。

僕でも家にこもっていて、
部屋にパソコンしかなかったら、一日中、
インターネットをやってしまいますよ。

僕もパソコンで文章を書くときには、
インターネットの回線を切るように
していますよ」

とアドバイスをすると、

「それいいですね。やってみたいです」
と本人も乗り気でした。

そこで付き添いで来られていた
お父さんにそれを提案してみたのです。

しかし、予想もしていない
答えが返ってきました。

「でも息子はパソコンがなかったら、
一日中、何もすることがないから、
かわいそうです」

この言葉から、息子さんのブレーキに
なっているのはご両親だということが
お分かりでしょうか。

息子さん自身が変わろうと思っても、
ご両親が無意識に息子さんを
縛りつけているのです。

もしOさんが引きこもりをしている
現状を変えたいと思うなら、

自ら環境を変える努力をするか、

もしくは、ご両親がOさんに
変わってほしいと思われるなら、
まずご両親の意識が変わらない限り、
Oさんは変われないでしょう。

その後、Oさんは自ら決断をして、
安定薬を断つことに挑戦して、
見事やめることができました。

その間、一日中、眠気に襲われて、
集中力の切れ、肌の湿疹、体のだるさ
などが出てきていましたが、
Oさんはそれに負けませんでした。

そして、現在では少しずつ外に出たり、
人とコミュニケーションをとる
努力をされています。

どんどん顔色が明るくなってきて、
話も上手になってきています。

Oさんはきっと生まれ変わることが
できると私は信じています。

Oさん、頑張りましょうね。

中村 宇博


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