2011年11月25日金曜日

父が嫌いでした

おとといは父の誕生日でした。

久しぶりに家族4人そろって
食事をしました。

ところで私はほんの数年前まで、
父のことが嫌いでした。

家に一緒に居ても話をしませんし、
目も合わさずに、無視していました。

同じ空間にいるのが嫌でした。

世の男の子は、ある時期になったら、
誰でもそんなものだと思います。

以前、スタッフと話しをしたとき、

「息子がパパ(お父さん)のことを
毛嫌いしている」と言ったので、

「それは自分のことが嫌いなんですよ」
と言いました。

「だんだん年をとるにつれて、
息子って父親に似てくるし、

自分の欠点やコンプレックスが
そのまま目の前にあるから、
気に入らなくて仕方がないんですよ」

そう、以前は私も自分の欠点や
コンプレックスが受け入れられなくて、
自分のことが大嫌いでした。

それと瓜二つな存在が
目の前にいるわけですから、
嫌でたまりませんでした。

ずっと父親のことを嫌いだ、
と思っていたのですが、

でも、それは父親が悪いわけではなくて、
自分の心に問題があると分かってから、

自分の欠点や嫌いなところを
変えられるよう努力してきました。

すると不思議なことに、自分のことを
認められるようになるにつれて、

父のことを嫌と思う気持ちも、
どんどん薄れていきました。

今では父のことを尊敬していますし、
ここまで育ててくれたことに
心から感謝しています。

父が29才のときに私は生まれました。

今の私とそれほど変わらない年齢です。

今の自分が子どもを育てるなんて、
とても想像ができませんし、

(同年代で子どもがいる人は、
たくさんいますが、

立派に子育てをしているのを見ると、
すごいなと感心してしまいます)

今の自分は至らないところばかりです。

以前は父のあら捜しをして、
「嫌だ、嫌だ」と思っていたのですが、

親だって人間なのですから、
完璧な存在であるはずがないですよね。

何も分からないところから、
私を育ててくれた両親の苦労を思うと、
感謝しても、しきれないくらいです。

ここだけの話ですが、父は子どもの頃、
祖父から虐待を受けていたようなのです。

私の実家と、祖父の家は1つ家を挟んで、
隣にあって、会いに行こうと思えば、
いつでも会いに行けるような距離でした。

けれども、私は子どもの頃、
いつも父が祖父と出くわさないように
家の中に隠れているのを見ていました。

父は祖父から、父親としての愛情を
感じて育ったことがないようです。

だから、なおさら私との関係は、
父にとって未知なものだったと思います。

自分が父親から育てられたようには
絶対にしないと思いながらも、

「じゃあ、どう接したらいいのか?」
は分からなかったと思います。

けれども、私は子どもの頃を思い出すと、
いつも父が近くの公園に遊びに
連れていってくれたり、

ドライブに連れて行ってくれたり、

病気になると家族の中で
一番心配してくれたりと、

そんな父の姿ばかり浮かびます。

自分が父親にしてもらいたかったけれど、
してもらえなかったことの全てを、
私にはしてくれていました。

限りない愛情をかけてくれました。

そんなことにも気付かずに、
父のことを嫌っていた自分を
今では本当に恥ずかしく思っています。

そんな父に精一杯の感謝を込めて。

僕を生んでくれてありがとう。


中村 宇博


追伸:よく家族みんな同じ顔だと言われます(笑)


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