2011年11月27日日曜日

5年間オスグッドに悩んできた中学生バスケットマン②

前回のつづきです。

まだご覧になられていない方は、
先にこちらの記事を読んでください↓


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「先生、そのトレーニングをやると
お金がかかりませんか?」

そうです、Hくんはこれまで
長く治療をつづけてきたことで、
どれだけのお金がかかっているか
知っているのです。

そのため、また新たにトレーニングを
始めることで、ご両親に迷惑をかけて
しまうんじゃないかと思っていたのです。

気持ちはよく分かります。

私も同じことで悩んだことが
あったからです。

以前、陸上の練習中にケガをして、
治療院めぐりをしていたとき、

治療費の総額が10万円を
軽く超えていることを、

「俺のせいでお金かかっているな」
と申し訳なく思っていました。

「でもね、たぶんHくんのお母さんも
ひょっとしたら同じ気持ちじゃないかな
と思うんだけれど、

子どもにお金の心配をさせてしまうのって、
親からすると、すごく悔しいことなんだよ。

昔、先生もお父さんに
怒られちゃったことがあるんだ。

『子どもが金のことなんか心配するな。
自分がやりたかったら遠慮せずに
やればいいじゃないか』ってね。

子どもがやりたいことをお金の問題で
やらせてあげられないとしたら、

お父さん、お母さんは情けない
気持ちになるんじゃないかな。

それにHくんのお母さんは、
お金のことよりも、

何よりHくんに全力でバスケット
やってもらいたいんだと思うよ。

だから、これだけ時間とお金がかかっても、
ここに連れてきてくれているんじゃない。

Hくんがコートで全力でプレーしてる姿が
見られたら、お母さん本当に嬉しいと思うよ。

だから、もしHくんがオスグッド治して、
バスケットを思いっきりやりたいのなら、
お母さんに甘えちゃってもいいんじゃないかな。

それで社会人になったら、いっぱい働いて、
お母さんにいつかお返しするんだよ」

と言うと、お母さんは目にうっすらと
涙を浮かべていました。

「私の言いたいことは
全部、言ってもらいました」と。

あとはHくん次第です。

ご両親想いの素晴らしい息子さんだと
思います。

お金を無駄使いしないことも大切です。

けれども、彼にはそんな心配をして、
行動にブレーキをかけて、

無限の可能性をつぶしてしまうのだけは、
避けてほしい。もったいない。

せっかくここまで闘ったのだから、
あと一歩踏み出してほしい。

頑張ろう、Hくん。

中村 宇博



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