Iさんが施術室に入ってくるなり、
いつになく真剣な顔つきをしていた。
「薬って怖いですよね。
この本に読み入ってしまいました」
FMTの待合室の本棚には、
オススメの本コーナーがあります。
その中でも、とくにオススメなのが、
「クスリは飲んではいけない!?」
船瀬俊介著
この本を読んだ人は皆同じような
感想をおっしゃるのですが、
Iさんが語ってくださったお話は
実に興味深いものでした。
「私の父は薬物の乱用による、
多臓器不全で亡くなったんです」
Iさんも、そのお母さんもFMTには
長く通われている患者さんで、
とても明るくて、思いやりがあって、
周りの人を笑顔にする素敵な方たちで、
スタッフからも人気があります。
お父さんを早くに亡くされたことは
以前にうかがったことがあったのですが、、、
Iさんのお父さんは心臓の病気のため
ペースメーカーを付けていたそうです。
「本当はいつ心臓が止まっても
おかしくない状態だったのに、
ペースメーカーをつけていたせいで、
長く動きつづけていたみたいなんです」
本当は止まるはずの心臓を、機械の力で、
無理やり動かされつづけるというのは、
一体、どんな気持ちなのでしょうか。
それが苦痛なのかどうか想像もつきませんが、
なんだかやるせない気持ちになりました。
「ライブとか、山登りに行くことが大好きで、
なんとか治したいという一心だったんです。
当時はそれが良くなる方法だと信じていたから」
だからIさんのお父さんは処方された
異常な量の薬をかかさず飲んでいたそうです。
「実は父のお姉さんも数年後に
同じ病気になっているんですよ。
でも、今もまだ元気でいらっしゃるんです。
そのお姉さんは薬をサボる人で、
お医者さんからもらった薬をあまり
飲んでいないみたいなんですよね。
だから父が早くに亡くなったのも、
薬のせいだったのかなって」
そして今日読んだ本の内容が、
Iさんが感じていた不信感に
答えを出したのでした。
「一体、何のためだったんだろう」と思うと、
悔しい気持ちがあったかもしれません。
「以前は知識がなかったので、
疑いもしませんでしたが、
今だったら良く考えて、ペースメーカーを
付けることも断わることができたのに」
薬は本来、毒物であり、長期間飲みつづける
ことが体にいかに悪影響を及ぼすかは、
知識では知っているのですが、
実際に体験をされた方のお話は、
説得力があり、心に迫ってきます。
「薬は神さま」かのように
思っている人はたくさんいますが、
薬の長期使用は体の免疫力を低下させ、
治癒力を奪います。
長期間、薬を服用しつづけている、
量が増えてきている、
でも、思うように症状が良くならない
というのであれば、一度、治療法自体を
考え直してみる必要があるかもしれません。
中村 宇博
追伸:「クスリを飲んではいけない!?」は、
FMTの待合に置いてあるので、
ぜひ手にとって読んでみてください。
私も実費で1冊購入して、持っているので、
貸してほしいという方も声をかけてください。
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