2012年2月4日土曜日

なぜ肩がこるのか?

昨日、来られたMさんが、
「肩や腕が張ってしまって仕方がない」
と悩んでいらっしゃいました。

確かに肩から腕にかけてが
パンパンに張ってしまっています。

しかし、それ以外のところは、
むしろ筋肉がゆるんでいるというか、
たるんでいるという感じなのです。

もっと分かりやすくいうと筋肉が
なまけているという感じです(笑)

どういうことでしょうか?

「Mさんは普段、運動などをしていますか?」

と聞くと、

「いいえ、全然していません」と苦笑い。

Mさんのような体の方は最近多いです。

体の一部分の筋肉だけが張っていて、
それ以外のところはゆるんでいます。

実はMさんは和食料亭で働いていて、
重い料理を運んだり、
食器を片づけたりをくり返します。

料理が崩れないように、
食器を落とさないようにと、
しっかりと支えます。

それで腕や肩の筋肉が張ってしまうのです。

しかも、家に帰ったら、家事をされて、
空いた時間は趣味のウクレレを弾き、
ほとんどゆっくりとする時間がないそうです。

だから体に疲労がたまってしまうと、、、

もちろん、ゆっくりと心と体を
落ち着かせる時間を持つことは
とても大切です。

Mさんは普段の生活の中で、
少し休む時間を持った方が
いいと思います。

けれども、Mさんの問題は、
実はそれだけではありません。

Mさんが普段する作業を想像してみます。

お仕事で料理が崩れないように
慎重に運んだり、

食べ終わった食器を何枚も重ねて
一度に洗い場まで持っていったり、

自宅では家事をしたり、
ウクレレを弾いたり、、、

ほとんどの作業が腰元、胸元で
おこなうことなのです。

手腕を肩よりも上にあげることが、
ほとんどないのです。

そうするとどうなるかというと、
腕を上にあげるときに使う筋肉が
使われずに固まってきてしまいます。

子どものころなら木に登ったり、
鉄棒にぶら下がったりすることも
あります。

全身を使って遊びまわります。

しかし、大人になるとそうはいきません。

パソコンを扱うのも、料理をするのも、
文字を書くのも、携帯でメールするのも、

全部、胸元から腰元のあたりで
おこなう作業です。

試しにパソコンのキーボードを
打つ真似をしてみたときに、
肩や腕の筋肉を触ってみてください。

そして、どの辺りの筋肉が張ってくるか
確認してみてください。

すでに肩や腕の筋肉が張っている人は
分かりづらいかもしれませんが、
二の腕や肩の外側など、一部分の
筋肉しか張っていないことが分かります。

例えばプログラマーの人などは、
一日この作業をつづけるのです。

この筋肉ばかりを一日使いつづけるのです。

それを1週間に5~6回、
何か月、何年とつづけていくのです。

年数を重ねるごとに、筋肉の張りが、
ジワリジワリと増していくのが
想像できますか?

このような作業をつづけていれば、
当然、ひどい肩こりになることは
かんたんに想像できますが、

実はその原因は一部の筋肉だけが
使われ過ぎていることと、

もうひとつは、特定の動作の
くり返ししかしていないので、

一部の使われ過ぎている筋肉以外は
「使われなさすぎて」硬くなって
しまっているのです。

何年も開け閉めしていない窓が、
動きづらくなってしまうことと
似ていますね。

これに気がつかないと、
いくら肩をもんでも、休養をしても、
肩や腕のコリや張りが、根本的には
とれないままなのです。

とくに私たちは日常生活の中で、
腕を肩より上にあげる動作が、
非常に少ないです。

電車でつり革につかまるとき、
洗濯ものを干すとき、

台所で高い棚にしまってある
食器や鍋などを取るとき、

ドライヤーで髪を乾かすとき、
頭を洗うとき、、、

このような動作のときにしか
使われない筋肉があります。

それらの筋肉が使われなさすぎることで、
肩のコリや痛みが起こるのです。

(四十肩、五十肩の原因もこれです)

そう、実は冒頭で紹介した患者さんの
肩の張りも、忙しくて休むことなく、
体を使っていたからというよりも、

普段、特定の動作しか
繰り返さないことで起こったのです。

もし、この張りを根本的に解消したい
と思ったら、肩の関節を色々な方向に
動かす運動をすることです。

オススメは初動負荷トレーニングです。

「人類が初めて体験する肩甲骨の動き」
と言われるくらい、肩周りの筋肉を
柔軟に動かすことができます。

肩周りだけではなくて、全身の筋肉を
柔軟にしながら鍛えることができます。

小学生から90代の老人までできる
運動なので「今まで運動したことがない」
というような人でも安心です。

興味がある人は調べてみてください。

ワールドウィング小牧

中村 宇博

0 件のコメント:

コメントを投稿