2012年10月30日火曜日

「あれ以来、ずっと調子が良かったんです」

「先生、お久しぶりです!」

今日はそんな言葉を3回ほど聞いた。

久しぶりの患者さんに会えるのは、
とても嬉しいことだ。

そのうちの1人は、

昨年の今頃、オスグッドの治療に
通っていた中学生の男の子が、
1年ぶりに来院したのだった。

「あれ以来、ずっと調子がよかったんです」

しかし、本業のサッカーだけではなく、

駅伝の練習にも参加するようになり、
両方こなしているうちに、今度は
鵞足炎をわずらってしまった。

幸いまだ痛みがひどくなかったので、
おそらく2~3回の施術で良くなりそう。

彼は昨年のオスグッドの治療のとき、
屈伸も、正座も痛くなくなったので、

「一度、練習をしてみようか」

と言ったところ、

かなりハードな練習をしてしまい、
痛みが戻ってしまったのだった。

本来なら1ヶ月程度で痛みが、
軽減するはずだったのが、

3ヶ月くらいかかってしまって、
本人も、私も、苦い思いを
したのだった。

落ち込んでいた彼に、

「辛いと思う。でも、きっと
この経験がキミにとって
プラスになるときが来るから」

と繰り返しはげました。

私は心の底から、
そう信じていたけれど、

彼にどう響いているのか、
分からなかった。

オスグッドが完治したあと、

彼はケガをしたことを、
どう感じているのだろうかと
ずっと気になっていた。

ケガをしたことが、

「不運だった」

「何で俺だけこんな目に」

などとマイナスな思い出になって
いないで欲しいと願っていた。

彼はオスグッドの治療期間中に、
通っている中学の交換留学制度で、
中国に行くことになった。

そして、帰ってくると、

「先生、おみやげです」

とペン立てをプレゼントしてくれた。



少ないおこづかいの中で、
整体院の先生におみやげを
買ってきてくれるなんて、と驚いた。

それが嬉しくて、その後もずっと、
カルテを記入するための、
小さな机の上に置いて使っている。

それを見る度に彼のことを
思い出しては、

「元気にやってるかな」

「オスグッドは再発していないかな」

と成長した彼の姿を想像していた。

本当は整体院になど、度々、
来ない方がいいのかもしれない。

整体院にまた来るということは、
どこか調子を悪くしてしまった
ということだから。

でも、久しぶり会った彼が、
私の背をいつの間にか
追い越してしまって、

凛々しい大人の男の顔つきに
変わっていたのを見ると、
やっぱり嬉しくなる。

「何度もお礼の手紙を書けって
言っていたんですけどね」

というお父さんからの言葉で、
私の1年分の彼への想いが、
スーッと心から抜けていった。

良かった、本当に良かった。




追伸:明日はまた別の患者さんを紹介!

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