2011年10月26日水曜日

香川から来院したアトピーの大学生

FMTには大学生があまり来ません。

どちらかというと、主婦の方や、
年配の方、それと高校生以下の
アスリートが多いです。

私がFMTに患者として
来院したときも大学3年生だったので、

高瀬院長は「めずらしいな」
と思ったそうです。

そう言えば、敬語で話すべきか、
それともタメ口で話すべきか、
少し迷っていたみたいでした(笑)

先日、アトピーの大学生の新患さんが
来院されたので、やっぱり私も
「めずらしいな」と思って対応をしました。

年齢が近い患者さんとの出逢いは、
少し楽しみな気持ちもあります。

全身がひどく乾燥していて、
ところどころ皮膚がめくれて、
ささくれ立っています。

ひどいところは赤みがかっています。

「かゆいだろうな」というのが
一目でわかるその患者さんを、

「こんにちは。どうぞお入りくださいね」
と出迎えましたが、

緊張をされているのか目をなかなか
合わしてくれません。

気持ちは分かります。

私もそうでしたが、
アトピーの方は人に肌を見られることが、
すごく気になってしまいます。

カルテを見てみると驚きました。

記入してある住所に、
「香川県」と書いてあります。

「どれくらいかかったんですか!?」
と聞くと、片道5~6時間ほど
かかったそうです。

彼が愛知県まで来院を決めるまでの葛藤や、

それを決意してFMTにたどり着くまでの
過程を想像すると、

自分よりも4つ下の大学生に、
頭が下がる思いがしました。

遠方から若い方が来院をすると、
いつも思うのですが、

「自分が同じ年齢のときは、
こんなことできなかったな」と。

せっかく遠方から来てもらったから、
彼に1つでも多くのことを
持って帰ってもらいたいと思い、

問診を終えて、今後の治療方針を
アドバイスしようとしたところ、

「少し待っていただいていいですか」

と言って、カバンからノートとペンを
取り出しました。

「凄いな」と感心してしまいました。

「何をメモされているんですか?」
と興味本位で見せてもらったら、

なんと私がこれまでブログで紹介してきた
アトピーの治療方法などの記事の中で
気になった内容をメモしているのです。

彼の治療に向かう真剣な態度に心を打たれて、
通常の施術時間を少しオーバーして
お話をしてしましました。

ひいきするつもりはありませんが、
相手が熱心であれば、それに応えようと
自然とアドバイスにも熱が入ります。

その一方、

「あなたに私が治せるんですか」
と言わんばかりの態度でこられる
患者さんもいます。

いろいろと治療にチャレンジしてこられて、
そのたびに期待を裏切られてきたわけですから、
疑い深くなる気持ちはよく分かります。

しかし、前者と後者でどちらが治りが、
早いかは言うまでもありません。

私たち施術家は患者さんが治ることを
100%信じていますが、

患者さんが施術家を信じられないなら、
どれだけ技術や言葉を尽くしても、
きっと治らないでしょう。

施術家と患者さん。

お互いが信頼し合っているからこそ、
はじめて治療が成り立ちます。

彼の「治したい」という強い気持ちと
その行動に、改めて大切なことが
何かを教えてもらいました。

中村 宇博

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