最近は施術の予約をたくさん
いただいていて、1人の患者さんと
お話をする時間が限られています。
本当は2時間でも、3時間でも、
お付き合いしたいくらいなのですけどね。
あわただしく施術をこなしているときは、
患者さんに少し申し訳ない気持ちがあります。
よく電話の問い合わせで、
「治療はどれくらい時間がかかりますか?」
とたずねられて、
「10~15分くらいです」と答えると、
「エッ、そんな短いんですか?」と
驚かれます。
私も(元患者だったので)
通院しようかどうか迷っていたときは、
ホームページの表記を見て、
「15分で5250円って高いよ」
と思っていましたから、
患者さんの気持ちは分かります。
できるだけ長い時間やってもらった方が、
嬉しいと思います。
けれども、10~15分という短時間で
切り上げるのには理由があるのです。
ひとつは、
長時間、施術を受けたからといって、
治療の効果はあまり変わらないこと。
むしろ、時間が長引けば長引くほど、
患者さんの体は疲労してしまい、
かえって施術の効果が薄まるのです。
例えば扇風機に長時間当たっていると、
疲労してしまうことは一般的にも
よく知られていますね。
小さな子の場合は、扇風機に当たり続けて
寝ていたりしたことで命を落とすこともあります。
ただ風に当たっていただけなのですが、
それだけで人間の体は疲労していくのです。
施術の場合も同じです。
長時間、施術すればするほど、
早く治るわけではなくて、
逆に疲労させてしまうのです。
ですから、当院では○分いくらという、
時間制ではなく、患者さんの症状に
合わせ時間を決めています。
もうひとつの理由は、
短い時間であることで、患者さんも、
施術家も、その時間を大切にするから。
短い時間であるからこそ、
施術の前までに、着替えを済ませ、
今日質問する内容を考えてきて、
症状の変化の経緯を話す内容を、
あらかじめ決めてきて、
施術にも集中して、、、
と限りある時間をできるだけ
有意義に過ごそうとします。
その集中力が治癒力を高めます。
ただ長い時間をかけることが、
いいわけではないのです。
ぜひそのことを理解していただいた上で、
施術に臨んでいただきたいと思います。
でも、施術中に質問があったり、
何か相談があるときには遠慮せずに、
相談をしてくださいね。
中村 宇博
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